あの日の笑顔のままー…

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「もう、時間がないんだ。
……だから、今日で最後にしよう」

彼はそう言い放った。
涙ぐむ私をよそに、いつもの笑顔を見せず
冷たく、苦しそうな顔で……
数日前から感じていた悪い予感は、当たってしまったらしい。
彼が告げた通り、残された時間はもうないらしいのだ。

「……言ったじゃない!!
ずっと一緒だって……
どちらかの命が尽きてしまうまで、あたし達はずっと、ずっと……一緒って、
誓ったじゃない……っっ……!!」

思い出すのは昔、昔の結婚式ごっこ
あの頃から彼は優しくて、誠実だった。
二人で作った小さなお花の指輪、交換しあって……。
沈みゆく夕日の中、交わしたキスで悟った。
「ぼくとずっといっしょにいようねっ!!」
幼かった彼からの精一杯の言葉。
ーーあぁ、あたしはこの人と結ばれるんだ……
そう、思っていたの。

「ごめん……。
だけど、さよりのことを大切に思う気持ちはあの頃と変わらない。
今も、これからもずっとさよりだけを愛してるから……」

さっきとは違う、切なくも真剣な表情を浮かべて彼はそう言った。
辺りを吹き抜ける風が、彼の黒髪を揺らす。
このまま風が吹き続けていると、彼が風と一緒にどこかへ行ってしまいそうな感覚がした。
……そんなことをしなくても、彼はもう旅立ってしまう。
私の手の届かない場所へと……。

「コタ……ロウ……
あたし、コタロウと一緒に居られてね
すっごい幸せ……だったよ。
今まであたしと一緒に居てくれて
支えてくれて、好きでいてくれてーー

ありがとう……!!」

彼は涙を流していた。

「ごめん……な……
オレがこんな体にならなきゃ、オレも
さよりも苦しまずに居られた……のにっ……!
オレがここまで生きてこれたのは、さよりが一緒に居てくれた……からだ。
さよりーー……愛してる……」

あたしは彼を抱きしめた。
彼の存在があたしの中でどれだけ大きかったか……。
分かっていたはずなのに、改めて思い知らされた。
離したくない、離れたくない。
どれだけの願いを込めても時間は止まってくれない。

最後にキスを交わした。
彼が消えてしまったとて、彼がこの世に
いたことはまぎれもない事実。
笑い合った日々も、涙の日も……
全てここにあった出来事だからーー

キスの後……あの日と同じで、彼は笑った。
成長しても全く変わることのない
あの日の笑顔で……
紅に染まる夕日は、彼の存在を示すかのように
沈むその瞬間まで輝き続けた。
あの日の笑顔そのままに、彼は天国へと
旅立っていったーー。


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なにこれoh←
ABCの冬の幻の歌詞のラストから
イメージしました。
曲の内容とは違いますよ。
「あの日の笑顔のまま」だっけ。
酷い文章でした。
さよりんがさよりなのはスルー。
分かりにくくしたけど、さよりんとコタちゃんです。
若干結婚記念小説に似てるな←←
お粗末様でした(--;